サンタプレゼントパーク

SANTA CLAUS

世界のサンタと不思議な大冒険です。

  「もらった10人のお人形さん」

  「お話しがすんだら、もう寝る仕度をするんですよ。」お母さんが、人さし指を口に当て云いました。

  「もうそろそろ寝る時間だね。わたしも帰らなくてはいけないな。」

  「じゃあ世界のサンタさんは、これでおしまいなの?」妹がニコラス神父の服をのぞこむようにして聞くと、

  「いいや、もっともっとたくさんいるけど、わたしが持ってる人形は、あと三人だよ。   」と言うので少し安心しました。
そして、早く全部見たくなったので、いっぺんに見せてもらうことにしました。

  「これは、バレンといって若いお兄さんのサンタさん。で、これがキントといってお嬢ちゃんより少し小さい男の子のサンタさん。まだ小さいからたくさんの天使に守られているんだよ。そして、これがルチアという光のサンタさんで、元気なお姉さんのサンタなんだよ。」

若いお兄さんサンタは、先にハートのついた矢をかついでいて、グリーンのジャンプスーツに茶色のブーツをはいています。小さな男の子のキントは、金色の髪で青いケープを着て、金色のつのぶえを持っています。ルチアという光のサンタのお姉さんは、黄色のワンピースを着ていて、ステキなつえを持っています。髪は、外巻のカールに葉っぱの髪飾りをしています。

  「気に入ったかね。」じっと見ていた妹に、ニコラス神父は、やさしく尋ねます。

  「世界のサンタは、これで10人だよ。このサンタさんたちはね、君の事をいつもいつも見守って、応援しているんだよ。」
そういって、妹の頭にやさしく手をのせました。

  「おじいさん、どうもありがとう。あたし、このサンタさん達のお人形を大切にするわ   。」妹は、両方のポケットを手で押さえて云いましたが、本当はもう一つ云いたい事があ りました。

     ーニコラス神父様は、本物のサンタさんなの?教えて!ー

やがてニコラス神父は、お父さんとお母さんに見送られて帰っていきました。妹がベッドに入る支度をするために二階へ上がっていくと、お兄さんが支度を終えて部屋へ入っていくところでした。下の部屋からは、まだ笑い声が聞こえているので、今夜は、一人でベッドへ入らなければなりません。

部屋へ入った妹は、洋服のポケットからお人形をぜーんぶ取り出してベッドの上に置 きました。十人のサンタさんを改めて見てみると、ニコラス神父様のお話が一つ一つ思い出されます。妹は全部の名前とお話しを覚えていましたが、いつもより遅い時間なのでもう寝ることにしました。

  「さあ・・・今夜はクリスマスイブですよ。早くベッドへ入りましょう。だって、いい子    にはサンタさんがプレゼントを・・・・・あ!みんなサンタさんだったわね。どうしよう!寝てなんかいられないわ。プレゼントを届けに行くのよね!!」
妹は、急いでサンタさん達が乗るためのソリを探しました。

いつもは、のんびりしている妹ですが、急いで乗り物を探し始めました。こんなところをお母さんに見られたら大変です。早く寝なきゃだめよって云われるに決まってます。おもちゃ箱をぜーんぶひっくりかえすと、部屋中おもちゃだらけになってしまいました。

  「あった!あったわ!」
妹が取り出したのは、ミニチュアセットのソリでした。トナカイも二頭出てきました。これは、去年のクリスマスに、大好きなおばあさんからもらったクリスマスの街のセットでしたから、ツリーもありました。妹は、机のにサンタさん達を並べて、お家やトナカイ、ソリ、ツリー、小さなプレゼントなどを並べました。そして、ソリにサンタ達を乗せようと思いましたが、ソリが小さくてサンタクロース1人しかれません。

  「困ったわ、みんな乗れないと出発できない!!。」

こうなったら、ソリじゃなくてもいい、何か乗り物を・・・そうです!車好きのお兄さんに貸してもらいましょう。さっそく、妹はお兄さんの部屋へ行き、借りることにしました。

茶色のブーツをはいたかっこいいバレンは、黒とシルバーのバイク。
マロースは、大きな冷凍トラック。
ルチアは、黄色のスポーツカーです。
ファザークリスマスは、ツリーや食べ物をたくさん積めるようにトレーラーを用意しました。
ニコラは、金色のゴンドラ船です。
お兄さんが車を妹の部屋へ運んで並べているうちに、妹は、ノエルの為にうすむらさき色のスクーターを探し出しました。



そして、ロチアには、小さな木馬を。
           
  
  「ベファーナは、ほうきがあるからいいわね。」

  「そしてキントは、羽があるから飛べるよね。」

これですべて乗り物がそろいました。二人はとても疲れてしまいました。

世界のサンタさんは、
これで10人だよ。
このサンタさんたちはね、
君をいつも見守って、
応援しているんだよ。

  
 2013.12.24~25発表
クリスマスイブのパーティーで、
女の子が神父様からもらった10人のお人形は、
本当は、世界のサンタさんでした。
今夜のうちに、
世界中にプレゼントを届けなくてはなりません。
女の子とお兄さんも、
世界のサンタさんを助けるために、
一緒に空へ飛び立ちます!
・・・無事にプレゼントは届くのでしょうか?


この物語は、「旭川サンタプレゼントパーク」によるオリジナルストーリーです。
当物語の構成・文章・写真・画像・イラスト等の無断転載及び使用を禁じます。
(1998.3.31作  作者 寿 実氏)

  「クリスマスパーティー」
  「サンタクロースのお人形」
  「マロース、ロチアとべファーナさんは、どんなサンタなの?」
  「マダム・ノエル、ファザークリスマスの次のお人形は・・・・・!」
  「もらった10人のお人形さん」
  「時計が12時になりました・・・」
  「私達は、世界のサンタです。メリークリスマス!」
  「クリスマス・イヴの夜」
  「世界のサンタからのプレゼント」
  「世界中に届くプレゼントの秘密」
  「サンタを信じる子供たち」
  「クリスマスの朝」