「それじゃあ続けよう。次のサンタさんはね、寒い国(ロシア)の人で、名前はマロ ースというんだよ。」
そういって、水色の帽子と服を着た人形を手に載せてくれました。
なるほど服は、サンタクロースの服の形によく似ていますが、雪の結晶の形をした大きなボタンが3つついていて、それは帽子にもついていました。顔は、少し赤くなっていますが、きっとウオッカ(きついお酒)でも飲み過ぎたのでしょう。
「この人が、マロースおじさんね。」妹は、2つの人形を見比べていいました。
「でも・・・サンタさんて、おじいさんばかりなの?」
「いやいや、子供のサンタだっているんだよ。」
次に見たのは、白いマントを着て長い三つ編みをした女の子の人形で、名前をロチアといい、手には花かごを持っていました。
「わあ、かわいい。女の子のサンタさんもいるのね。」
「この子はね、お花が大好きなんだよ。」
「人形じゃあなかったら、きっとお友達になれたのに。」
「ははは、人形でも、お友達になりたいという気持ちは、通じるものだよ。」
そう言ってニコラス神父は、次の人形を出してくれました。その人形は、まあるいメガネをかけて大きな帽子をかぶり、手にはホウキを持っていました。
「魔法使いみたいだけど、かわいいおばあさんね。」
「イタリアの地方のサンタで、名前はベファーナというんだ。少し、あわてものなん だよ。」
妹は、もらった人形を一つ一つ大事にスカートのポケットに入れていました。
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